共働きで家庭を支えていたにもかかわらず、旦那が職場の若い女性と不倫してしまった――こうしたケースが実は意外と多いことをご存知でしょうか。
夫婦ともに働き、経済的には安定している。外から見れば「順調な家庭」に見えても、内側では家事や育児の負担が偏ったり、会話が減ったりと、少しずつすれ違いが生まれていきます。その隙間に、職場の人間関係から不倫が始まってしまうことは珍しくありません。
今回ご紹介するのは、そんな状況に直面したFさん(30代女性)の体験談です。
Fさんはフルタイムで働きながら家庭を支えていたにもかかわらず、夫が職場の若い女性と不倫。平穏な結婚生活は一変しました。
では、Fさんはその現実をどのように受け止め、最終的にどんな選択をしたのでしょうか。ここから、その歩みを追っていきます。
可愛くてモテてきた私と、優しい夫との結婚生活

私は昔から「可愛いね」と言われ、恋愛にはあまり困ったことがありませんでした。多少わがままを言っても、男の人は大体聞いてくれる。そんなタイプだったと思います。
27歳の頃、飲み会で出会った今の夫とはすぐに意気投合し、30歳で結婚しました。夫はとても優しい性格で、誰にでも気を遣えるタイプ。私はどちらかというと自分の意見をはっきり言う方なので、家庭内では私の方が“強いキャラ”として振る舞っていました。
家や車のローンも夫名義で組んでくれて、「しっかりした男性と結婚できた」と安心していました。夫は日系大手企業に勤めていてお給料も安定して高く、家庭の大黒柱として経済的には大きく支えてくれていました。
ただし、だからといって私が専業主婦だったわけではありません。私は大企業の子会社でフルタイムで働いており、決して家にいるだけの存在ではありませんでした。金額の上では夫の収入に頼っていたけれど、私も自分の力で家計に貢献し、仕事と家庭を両立させていたのです。
家事をあまりやってくれない旦那へのイライラ

ただ、結婚生活が始まってから、私は少しずつ夫に対して不満を抱くようになりました。
夫は「家事は手伝うよ」と口では言うものの、そのやり方は中途半端。
- 「洗濯物しまっておいて」とお願いすれば、竿から取り込んで畳むだけで、引き出しにしまうところまではやってくれない。
- 「ゴミ出しお願い」と頼んでも、玄関に置くだけでゴミ捨て場まで運ぶのは私の役目。
- 食事の後の片付けも、暗黙の了解でいつも私。
共働きで私だって毎日仕事をしているのに、家の中の細かいことは結局私が背負う形になっていました。そんな状況にイライラすることが増えていったのです。
私は昔から意見をはっきり言うタイプ。だから「どうして最後までやってくれないの?」「私だって疲れてるのに」と、つい強い口調でぶつけてしまうこともありました。
そのたびに夫は黙って聞き、しぶしぶ従うこともありましたが、どこか不満げな顔をしているのを私は見逃しませんでした。
「優しいけど、結局本気で変わろうとはしてくれない」
そんな思いが心の中で少しずつ大きくなっていきました。
子供を授かり、生活は一変した

そんな夫婦関係でしたが、私はやっぱり「子供が欲しい」という気持ちが強くありました。32歳の時、念願かなって第一子を出産。7歳になる子供は今でも私の宝物です。
出産してからの私は、意図したわけではないけれど、生活のすべてが子供中心になっていきました。夜泣き、授乳、保育園の送り迎え、食事の支度、家の中の細々としたこと――毎日が慌ただしく、夫とゆっくり会話する余裕もなくなりました。
もちろん夫も父親としての自覚はあったと思います。けれど、家事や育児の分担については大きく変わらず、やはり私の負担が大きいままでした。夫は仕事が忙しいを理由にすることが多く、私の方も「結局頼っても期待通りに動いてくれない」と思うようになり、いつしか何もお願いしなくなっていったのです。
子供を授かって家庭が豊かになったはずなのに、夫婦としての距離は少しずつ広がっていく――そんな矛盾した現実を、私は日々感じるようになっていました。
会話が減っていく夫婦関係

子供が生まれてからというもの、私の生活は本当に子供中心になりました。朝から晩まで子供のことを考え、家事と育児と仕事に追われる毎日。
その中で、夫との会話は自然と減っていきました。
以前は「今日はこんなことがあったよ」と話していたことも、子供を寝かしつけた後にはもう疲れ果てていて、口を開く気力もない。夫も夫で仕事が忙しいから、帰宅してもソファに座ってスマホをいじるだけ。
「ねえ、今日こんなことがあったんだよ」
そんな小さな会話も、いつしかなくなっていきました。
もちろん、心のどこかでは「このままじゃ良くない」と思っていました。けれど、私自身が子供で一杯一杯で、夫との関係を気にかける余裕なんてなかったのです。
気づけば、夫婦なのに同じ家に住んでいるだけの“同居人”のような関係になっていました。
夫の態度が段々とよそよそしくなっていった

そんな“同居人のような関係”が続く中で、夫の態度に少しずつ変化が出てきました。
- 以前は「今日はどうだった?」と聞いてくれていたのに、最近は黙って自室に入ってしまう。
- 食事中も会話が減り、スマホをいじりながら「ふーん」と生返事をするだけ。
- 子供の前では普通に接しているけれど、私に対してはどこかよそよそしい。
最初は「仕事で疲れているんだろう」と思おうとしました。でも、目を合わせなくなったり、休日も外出が増えたりするたびに、心の奥に小さな不安が積もっていきました。
私は子供のことで手一杯だったので、深く追及する余裕もありませんでした。けれど、女性の勘というのは鋭いものです。
「何か隠しているのでは?」
「もう、私に興味がなくなってしまったのでは?」
そんな疑念が頭をよぎるようになり、心は次第に落ち着かなくなっていったのです。
帰宅が遅くなり、スマホを手放さなくなった夫

夫の態度がよそよそしくなってから、さらに気になる変化がありました。
平日は以前よりも帰宅が遅くなり、「残業で遅くなる」「同僚と飲んでくる」という言い訳が増えました。休日も「会社の人とゴルフだ」と出かけてしまうことが増え、家にいる時間がどんどん減っていったのです。
そして決定的に違和感を覚えたのは、スマホの扱い方でした。
これまでリビングに置きっぱなしにしていたスマホを、いつの間にか肌身離さず持ち歩くようになったのです。お風呂に行くときも、トイレに行くときも、必ず持っていく。LINEの通知音が鳴っても、すぐに画面を伏せて隠すような仕草を見せる――そんな姿に、私の胸の中の不安は日に日に大きくなっていきました。
ついに見てしまった「怪しいメッセージ」
ある晩、夫が寝落ちしてしまった時のこと。テーブルに置かれたスマホに、ふと画面が点灯してLINEの通知が表示されました。
そこには見知らぬ女性の名前と、こう書かれていたのです。
「昨日はご馳走様でした😊 また早く会いたいな🥹」
その瞬間、頭が真っ白になりました。
胸がドクドクと高鳴り、全身が冷たくなる感覚。信じたくない、でも、これ以上ないほどハッキリとした証拠でした。
「やっぱり…私の勘は間違っていなかった」
長年一緒に暮らしてきた夫が、会社の若い女性社員と不倫をしている――その事実を突きつけられ、私は崩れ落ちるようにその場に座り込んでしまいました。
パスワードを知っていた私と、衝撃の真実
夫の態度がよそよそしくなってから、私はずっと胸の奥に不安を抱えていました。
「何かあってからでは遅い」
そう思った私は、実は夫のスマホのパスワードを以前から把握していました。もし怪しいことがあれば確認できるように――そんな苦しい覚悟のもとで。
そして、ある晩。夫が寝静まった後、私は震える手でスマホを開き、LINEを覗いてしまったのです。
LINEに残されていた裏切りの証拠
画面に映し出されたメッセージの数々を見た瞬間、私は全身が凍りつきました。
- 夫はどうやら職場の28歳の女性社員と何度もデートを重ねていた。
- 「出張」と言っていた日には、実際はその女性と旅行に行っていた。
- さらには、私に対しての不満をその女性にぶちまけていたのです。
「うちの嫁はガミガミうるさい」「家に帰っても気が休まらない」
その言葉は、胸に突き刺さるほど痛かった。 - しかも、不倫相手の女性も軽い遊びではなく、本気に近い気持ちを抱いている様子がやり取りから伝わってきた。
裏切りを知った直後の心境

LINEの画面を見つめながら、私はしばらく動けませんでした。
頭の中が真っ白になり、呼吸さえ苦しくなる。涙は勝手にあふれて止まらず、視界がにじんでいきました。
「なんで……?どうして私に隠れてこんなことを?」
胸の奥からこみ上げてくるのは、怒りよりも先に、深い絶望感でした。
信じていた夫に裏切られたという事実は、私の心をズタズタに引き裂きました。
泣きながら「私が悪かったの?」「もっと優しくできていれば…」と自分を責める気持ちと、
「どうして裏切ったの?」「私たち家族をなんだと思ってるの?」という怒りが、心の中で何度もぶつかり合いました。
そして何より、子供の寝顔を見た瞬間、胸が張り裂けそうになりました。
「この子の父親が、裏でこんなことをしているなんて……」
悔しさと悲しさが入り混じり、私は声を押し殺して泣き続けるしかありませんでした。
誰にも言えず、占いにすがった夜

夫の裏切りを知ってから、私は誰にも相談できずに苦しんでいました。
両親にも友人にも「夫が不倫している」とは言えない。言葉にしてしまえば現実を突きつけられる気がして、ますます怖かったのです。
仕事をしている間も、子供と過ごしている間も、頭の中にはあのLINEのメッセージがこびりついて離れません。笑顔を作ろうとしても、心はズタズタのまま。夜になると涙が止まらず、布団の中で声を殺して泣く日々が続きました。
そんなある夜、スマホを握りしめて眠れずにいた時に、ふと目に入ったのがオンライン占いの広告でした。
「誰にも言えない悩みを占い師に相談しませんか?」
その一文に、私は吸い寄せられるようにアクセスしてしまったのです。
半信半疑で事情を打ち明けると、画面越しの占い師は真剣に耳を傾けてくれました。
「ご主人は今、別の女性に心を奪われています。でも、あなたの人生はそこで終わりではありません」
「あなたには新しい道を選び取る強さがあります」
その言葉を聞いた瞬間、涙があふれました。
占いが未来をすべて解決してくれるわけではないと分かっています。けれど、誰にも言えず孤独だった私にとって、誰かが真剣に寄り添ってくれることが、何よりの救いになったのです。
オンライン占いで相談してから、私は少しずつ心を整理できるようになりました。「夫に裏切られた」という事実は消えません。でも、占い師の言葉を通して気づいたのは、自分の人生をどう選び取るかは、結局は私自身に委ねられているということでした。
もちろん簡単な決断ではありません。子供はまだ小学生。母子家庭になれば寂しい思いをさせるかもしれない。マイホームのローンや生活費だって、現実的な問題として重くのしかかります。まずは旦那に浮気について問い詰めて、態度を知りたい気持ちが強くなっていきました。なので旦那についに浮気について問い詰める決意ができました。

不倫を問い詰め、夫婦は冷戦へ

夫が帰宅した夜、私は震える声でスマホを見せながら言いました。
「ねえ……これ、誰? このメッセージ、どういうこと?」
夫は「同僚だ」「ただの仕事仲間だ」と苦しい言い訳を繰り返しましたが、既に証拠を握っていた私は引き下がりませんでした。
「ふざけないで。出張って言ってた日は旅行に行ってたんでしょう? 私に不満までぶちまけて……。もう無理。離婚しましょう。」
感情が爆発し、激しい口論になりました。夫は逆ギレした後、最終的に観念したように「わかった」と答えました。
しかし、そこからすぐに離婚には至りませんでした。子供の存在と生活の現実が、私の足を止めたのです。家庭は冷戦状態に突入しました。
冷戦の中で見えた夫の変化

冷たい空気が続く中で、夫は少しずつ変わり始めました。
これまで家事や子育てに消極的だった夫が、洗濯物を畳んだり、子供の宿題を一緒に見てくれたりするようになったのです。休日も「どこかに出かけようか」と子供を誘うなど、家庭を大切にしようとする姿が見えるようになりました。
最初は「焼け石に水」と冷笑していました。けれど日を追うごとに、子供と笑う夫の姿や家事を手伝う様子に、私は少しずつ暖かみを感じるようになりました。
子供のために選んだ答え

それでも、不倫の傷は簡単には癒えません。信頼は一度壊れてしまえば、元に戻ることは難しい。夫がどれだけ家事や子育てに協力するようになっても、あのLINEの言葉や裏切りの事実が心に突き刺さったままであることに変わりはありませんでした。
それでも私は決めました。
**「何も知らない子供に迷惑をかけるわけにはいかない」**と。
子供が父親を必要とする時期に、私の感情だけで家庭を壊すことはできない。たとえ夫婦としての愛情が冷めてしまっても、子供にとって子供が父親を必要とする時期に、私の感情だけで家庭を壊すことはできない。たとえ夫婦としての愛情が冷めてしまっても、子供にとって父親の存在は大きいはずです。学校行事に一緒に参加してくれること、日常の中で「父」としてそばにいてくれること――それらを奪う権利は、母親である私にはありません。
だから私は、自分の傷を抱えながらも「子供が大人になって家を出るまでは、この家庭を守ろう」と心に決めました。
それは愛ではなく、忍耐の選択です。けれど母として、子供の笑顔を守るためなら耐えられる。自分の感情を押し殺してでも、この子に安心できる日常を与えたい。
夫に裏切られた妻としての私は壊れてしまったかもしれません。けれど、母としての私は強くならざるを得ませんでした。これからの人生は、自分の幸せよりもまず子供の幸せを優先する――その覚悟を胸に、私は前を向こうと思ったのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は旦那の社内不倫に苦しみながらも、最終的に「子供のために離婚を選ばず、家庭を守る道を選んだ」女性の体験談をご紹介しました。
裏切りの記憶は消えず、信頼を取り戻すことは容易ではありません。しかし夫婦の問題は当人だけの問題ではなく、子供や生活全体に大きく影響します。どの選択が正しいかは家庭によって違いますが、大切なのは「自分と家族にとって最善の答えは何か」を真剣に考えること。そこから未来への一歩が始まるのだと思います。

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