「結婚式はあげたい。だけど、結婚式に毒親を呼びたくない」――そんな葛藤に揺れる娘は少なくありません。結婚式は本来、人生で最も幸せな節目のはずです。けれど、そこに毒親がいるだけで「支配や否定を再演する舞台」に変わってしまう恐怖を感じる人も多いのです。
そこで今回は、毒親を呼びたくないという気持ちの正体、呼ぶことで生じるリスク、呼ばないと決める勇気、実際に毒親を結婚式に呼ばなかった方の体験談、そして最後に本当の復讐とは何かについて、心理描写を交えて詳しく掘り下げていきます。結婚式に毒親を呼ぶかどうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
呼びたくない気持ちの正体

それでは一体なぜ毒親を結婚式に呼びたくない気持ちが出てくるのでしょうか。いくつかの要素を言語化してみていきましょう。
「いい親アピール」を許したくない
最も許せないのは毒親の「いい親アピール」ではないでしょうか。毒親が人前で「いい親」を演じるのを見て、胸を締めつける経験をした方は多いのではないでしょうか。普段は否定や支配ばかりなのに、親戚や相手の両親の前では「立派に育てた」「良い母親だった」と言わんばかりの笑顔を見せる毒親。
その瞬間、娘の心には強烈な反発が湧き上がります。
「私がどれだけ苦しめられてきたかも知らないのに」
「あなたを“いい親”に見せる舞台なんて、絶対に提供したくない」
娘にとって結婚式は、やっと自分の人生を自分で選べる出発点です。その大切な場を、親の“偽りの演出”に利用されることは、過去の苦しみを否定されるようで耐え難いのです。
喜びよりも恐怖が勝つ
結婚式は本来、人生で最も祝福されるべき大切な一日です。誰もが「おめでとう」と笑顔を向けてくれる場であるはずなのに、毒親の存在がその光を曇らせます。
「また人前で恥をかかされるかもしれない」
「『こんな式、恥ずかしい』と批判されるのではないか」
そうした想像が、何度も頭をよぎります。純粋に幸せを感じたい気持ちよりも、恐怖や緊張が勝ってしまうのです。結婚式という舞台が、祝福の場ではなく“再び傷つけられる場”になってしまうかもしれない。そう思うと、心から笑う余裕を奪われてしまいます。
呼びたくないのは復讐心だけではない
「呼びたくない」という気持ちは、単なる反抗や復讐心ではありません。そこには、自分の幸せを守りたいという切実な願いがあります。呼ばないことで「私はあなたに支配されない」という強い宣言ができる。呼ばないことで初めて、心から笑える結婚式を迎えられる。
呼ぶことのリスクを理解した上で、自分の人生の主導権を握る選択をする。それは“復讐”ではなく、“自己防衛”であり、“新しい人生の第一歩”なのです。
毒親を結婚式に呼ぶことのリスク

それでは毒親を実際に結婚式に呼んだ場合、どんなリスクがあるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。
否定と雰囲気の破壊
毒親を呼んだ場合、次のようなリスクが現実的にあります。
- 周囲の前で娘や婿を否定する
- 相手の親族に失礼な態度をとる
- 思い通りに進まないと不機嫌になり、場を壊す
結婚式という一生の思い出が、「再び我慢させられた日」に変わるかもしれません。
一番怖いのは「演じられること」
否定や攻撃も怖いですが、さらに娘を追い詰めるのは“いい親の演技”です。
「普段の毒親ぶりを知るのは私だけ」――その矛盾を見せつけられること自体が、屈辱であり再び心をえぐる出来事になります。
毒親を結婚式に呼ばないという選択

様々なリスクや自分の気持ちを考え、実際に毒親を結婚式に呼ばないという手もあります。
世間体や親族の目
「親を呼ばないなんて非常識」と言われるかもしれません。親族の反応も怖い。親からの攻撃も予想できる。それでも、娘にとっての本音は「呼びたくない」。その気持ちを優先することは、自己防衛でもあります。
自分の人生は自分で決める
「親を呼ばない」と腹をくくることは、単なる拒絶ではありません。
「私はもう、あなたのために自分の幸せを犠牲にしない」
そう宣言することこそが、解放であり新しい人生のスタートです。
実際に毒親に結婚式に呼ばなかった方の体験談
それでは実際に結婚式に毒親を呼ばなかった方の体験談を見ていきましょう。ここでは毒親に長年苦しめられてきたYさんの体験談です。
結婚式に毒親を呼ばなかったのは正解でした。最初は「なんで親いないの?」と周りに聞かれて、正直気まずさもありました。でも時間が経つにつれ、あの場に彼らの影響を持ち込まなかったことが、私にとって大きな安心になったと実感します。式の思い出は穏やかで、純粋に祝福してくれる人たちに囲まれた。今振り返れば、呼ばなかった決断は自分の人生を守る選択であり、心からスッキリしています。
最大の復讐は「幸せに生きること」
毒親にとって最も打撃なのは、娘が自由に、幸せに生きることです。
結婚式に呼ばない選択は、ただの拒絶ではなく「私はあなたに支配されない」「あなたに“いい親”の顔をさせない」という強い意思表示になります。
呼ばなくても式は成立します。むしろ毒親がいないことで、大切な人たちと心から笑える時間になるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。毒親を呼ぶか呼ばないか、その結論に正解はありません。ですが、自分の気持ちを押し殺してまで「いい子」を演じる必要はないのです。
「親を呼ばなかったからこそ、あの日は私の幸せのためだけにあった」
そう思える未来を選ぶことこそ、最大の復讐であり、最大の自己肯定なのです。
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